福岡大大濠が自慢のバッテリーでセンバツ初の8強入りを果たした。延長15回引き分け再試合となった激闘は、196球完投から中1日で先発した三浦に、プロ注目の捕手、古賀が決勝2ランで応えた。

 同点の5回1死一塁。古賀は捕手目線で「四球のあとの初球。直球がくる」。読み通りの直球をライナーで左中間スタンドに運んだ。高校通算46本目は初の甲子園アーチ。決勝弾だったことがうれしかった。尊敬する打者はDeNA筒香。侍ジャパンでも「1発が欲しいときに打てるところがすごい」。三浦の女房役として、「ゲーム主将」として、筒香ばりの勝負強さを発揮した。

 2戦計24イニングを326球で投げきった三浦は「古賀が1本打ってくれて楽になった。肩も体も重かったが負けられなかった」。前日27日に同県の東海大福岡が早実を破って8強入り。「先に負けて帰るわけにはいかない」。序盤こそ120キロ台だった直球も最終回には140キロ台を連発した。今日の準々決勝へ「投げることになれば勝ちにつながる投球をしたい」と連投へ意欲を燃やす。

 八木啓伸監督(39)も感無量だった。「勝つことが三浦の投球に報いることだと選手に言っていた」。守備でも24イニング無失策。まさにチーム一丸となってつかんだ快進撃だった。【浦田由紀夫】

 ◆福岡勢2校が8強 東海大福岡に続き福岡大大濠が8強。福岡県勢の2校出場は14度目だが、そろって8強以上は初めて。

 ◆再試合も完投 福岡大大濠・三浦が完投。センバツで延長規定の引き分けと再試合を両方完投したのは、14年山田知輝(桐生第一)山岡就也(広島新庄)が2日連続で完投したのに次いで3人目。