第56回春季全道高校野球の地区予選組み合わせ抽選会が25日、全道10地区のトップを切って札幌で行われた。17年ぶり3度目の全道大会進出を狙う北広島は、5月11日に札幌南陵と対戦する。PL学園で前田健太(29=ドジャース)らを指導した林宏行氏(54=ピークパフォーマンス代表)のもとで、GW直前まで筋力トレーニングで肉体を鍛え上げる。

 週末の練習試合を除けば、ボールを使わず1日約2時間半の練習時間の大半が筋力トレーニングだ。スクワットで155キロを挙げる久保田智貴捕手(3年)は「下半身が強くなって、50メートル走のタイムも6秒台が出るようになった」と話す。

 2年前の春から、全国の高校野球部100校以上でフィジカルトレーニングを指導する「ピークパフォーマンス」(本社・大阪)作成のメニューに取り組んできた。PL学園時代の前田も実行した運動能力測定を定期的に実施。個々の状態に合った効率的なパワーアップ法で体質を向上。林トレーナーは「全体的に身体能力の高いチームが大会の上位に来ることはデータで証明されている」という。

 春季大会は昨年まで4年連続初戦敗退。さらに昨秋の地区代表決定戦で札幌清田に延長負けを喫し、体力不足を露呈した。森田有監督(41)は「春から夏まで続く大会を乗り越えるために、ギリギリまで体力を蓄える」と話す。「ボールがさわれない不安はありますが、練習試合では明らかに打球が飛ぶようになっている。春も夏も(道大会の)ベスト4以上が目標」と主将の大石勇汰内野手(3年)。極限まで磨き上げた肉体で、春の大会に旋風を巻き起こす。【中島洋尚】