早実・清宮幸太郎内野手(3年)が2打席連発となる高校通算83号、84号を放ち、チームを秋春の東京大会連覇に導いた。好敵手の日大三を、延長12回の末、18-17のサヨナラ勝ちで退けた。春の優勝は荒木大輔を擁した82年以来、35年ぶり9回目。史上初のナイター決勝に主催者発表2万人の観衆が集まり、前代未聞の熱闘を見届けた。

 史上初のナイター決勝は、4時間2分の大熱戦となった。東都大学春季リーグ戦が行われる中、バックスクリーン外のチケット売り場は長打の列となった。場所取りは前日26日の午後から始まった。この日の行列は、イチョウ並木から秩父宮ラグビー場バックスタンド入り口へ約400メートルにまで伸びた。午後5時を予定していた開場と開門は1時間20分前倒しされ、同3時40分になった。5時40分ごろに外野席を開放し、7時には約7割が埋まった。視察したスカウト陣も「すごい人。プロ野球みたいだねぇ」と驚きを隠さなかった。東京都高野連は「以前、開始時に入れない人がいた経緯から(開場、開門を)早めました。東都(大学連盟)さんに最大限配慮をしていただいたおかげです」と感謝した。

 想像を絶する死闘は午後9時半ごろに延長戦に突入。ほぼ同時刻に、同高野連へ生徒の帰宅時間を案ずる電話が入った。同高野連はすぐに対応。午後10時をメドに、両校の応援団を取り仕切る責任教師へ向け、スタンドの生徒を帰宅させる方針を伝えた。試合が終わったのは10時6分だった。東京都高野連の武井克時理事長は「ここまで(遅い時間)になることは予測できなかった。時間で打ち切るなど今後は考えていく必要がある」と総括した。