静岡(推薦)は3-4で東海大静岡翔洋(中部1位)に逆転負けを喫した。3点をリードも、7回表に竹内奎人(3年)がつかまり、代わった春翔一朗(2年)も持ちこたえられなかった。今大会ではエース池谷蒼大(3年)を温存したが、東海大会(26~28日、三重)では登板する方向だ。

 4回以降、静岡打線が沈黙した。9回裏に代打黒岩陽介(2年)が二塁打を放ち、好機をつくるも、あと1本が出ずに敗れた。栗林俊輔監督(44)は言った。「収穫もあれば課題も出た。投手陣に関しては夏に必要となる2、3枚目が1つの大会を戦い抜いたことが良かった」。

 今大会、左腕の池谷を最後まで登板させなかった。理由は2つ。<1>センバツの疲労を考慮した<2>池谷に続く2枚目の投手を確立させるだった。全4試合に竹内が先発し、2年の春翔一朗がリリーフした。今大会は「投げやすさ」を意識し、肘を少し下げて投げていた竹内は20回2/3を8失点だった。「まだ課題はありますが、平均球速が戻っている。今大会でフォーム改良の方向性が見えてきました」。

 3-2の7回2死三塁で登板した春は「気持ちが空回りした」と振り返った。言葉通り、本来の打たせて取る投球ではなく、力で抑えにいき、相手に同点打、勝ち越し打を許した。「流れを切りたい気持ちが強すぎました。自分の投球を忘れずに投げたいです」。

 東海大会に向けて、栗林監督は池谷の登板を示唆した。池谷も「疲れも取れて状態は良い。東海では自分を含めた投手中心で優勝したい」と気持ちを新たにした。【大野祥一】