春季高校野球宮城県大会地区予選の中部地区決勝が7日に行われ、仙台育英が東北を12-6で圧倒。今年初となった、宮城名門ライバル対決を制した。

 この試合、佐々木順一朗監督(57)が掲げたテーマはエース・長谷川拓帆(3年)以外の投手で最後まで戦うこと。初回、3点先制後のマウンドに上がった先発・佐藤令央(3年)は初球にいきなり死球を与えると、続く2番野田陸翔内野手(3年)に本塁打を浴びるなど3連打であっという間に同点に。しかし、「打たせて取るのが自分の持ち味」(佐藤)とその後は変化球中心の投球で無安打無失点。6回からは前武當(まえんとう)大斗(3年)、加藤雅己(3年)、佐川光明(3年)の継投で逃げ切った。

 佐々木監督は「初回の内容を見て、長谷川の登板もあるかなと思ったが、2回以降立ち直ったのはうれしい誤算」と話し、「投手陣がさらに競争意識を持てたことが収穫」と大会を振り返った。

 佐藤は「自分は兄(オリックス・佐藤世那投手)のような球威がない。今日は変化球が良かったが、夏までに球威を上げてエースを目指す」と意気込んだ。2年ぶりの夏の甲子園へ、仙台育英投手陣の戦いが始まった。