清宮幸太郎内野手(3年)擁する早実(東京1位)が花咲徳栄(埼玉2位)と対戦。3番一塁で出場、本塁打と適時打で10回サヨナラ勝ちにつなげた。6打数4安打3打点の活躍だった。

 清宮は5回裏1死で第3打席に立った。ワンボールから135キロの直球をたたいた。打球は弾丸ライナーで右翼芝生席に飛び込む高校通算94号となった。このソロ本塁打で早実は6-4とリードした。

 第1打席は1回1死一塁。ワンボールから133キロの直球を打った。打球は高く舞い上がる遊飛に終わった。

 第2打席は3回1死一、二塁。3ボール1ストライクから低め133キロ直球をたたいた。痛烈な打球が一、二塁間を破るヒット。清宮のヒットを中心に早実は打線がつながり、この回5連打などで5点を先制した。

 7回の第4打席は捕邪飛。

 1点を追う土壇場9回裏2死一、二塁の第5打席では左前打を放ち、7-7の同点とした。

 タイブレークの10回裏、7-9でリードを許し、清宮は無死満塁で打席に立った。右前打で1点差とし、4番野村のサヨナラ二塁打につなげた。

 清宮は弾丸ライナーの本塁打について「入っちゃったという感じ。珍しい当たり。入って良かった」と振り返った。10回、1点差に詰めよるヒットは「負けるという感じはなかった。粘り勝つ野球ができた」と話した。

 清宮は13日の八代との招待試合(熊本)で、推定135メートルの場外弾となる高校通算93号の本塁打を放っていた。

 この日、ひたちなか市民球場は「清宮フィーバー」対策で、センター後方に特設の入場券売り場を9カ所設置。深夜2時45分に球場駐車場を開いた。センターから球場正面まで、長蛇の列が続いた。異例の事態に、午前7時半から入場券販売予定としていたが、同5時35分に早め、開場した。同7時には、内野席が観客でびっしり埋まった。外野芝生席も開放した。

 茨城県高野連関係者は「後にも先にもこんなことはもうないでしょう。関係者は1カ月前から、徹夜続きで準備してきた」と語った。

 最寄りのJR勝田駅前は、早朝からタクシーが足りない状態。予約でいっぱいとなっていた。