横手の伊藤蓮主将が1人3役の活躍を見せた。背番号8で先発。1回と5回に失点したが、終盤まで流れを呼び込み、勝ち投手の権利を得て8回から中堅守備に就いた。4番打者としても左前打で出塁した5回裏に勝ち越しホームを踏み、同点にされた直後の5回裏2死一塁では、左翼越えに決勝二塁打を放った。伊藤蓮主将は「打線には自信があるので複数点を取られなければ逆転できると信じていた」と胸を張った。

 チームは昨秋、48年ぶりに秋の県大会を制し、県のセンバツ21世紀枠候補に挙げられた。だが東北大会では準々決勝敗退。他県の強豪私学に、体格やパワーで劣ることを痛感した。冬場は体幹強化と並行して各自、「身長マイナス100」の体重増を達成。身長176センチの伊藤蓮主将も1日4食で昨年から5キロ増の78キロとし、「下半身が安定して球威も球速も増し、打球も伸びるようになった」とパワーアップを実感した。押切信人監督(42)も「精神的にも強くなった」と評価する。伊藤蓮主将は「声で引っ張っていけるタイプではないのでプレーで引っ張っていきたい」と飛躍を誓った。【佐々木雄高】