超高校級スラッガーの早実・清宮幸太郎内野手(3年)が、鬼門突破で4強進出を決めた。昨夏、八王子学園八王子に敗れた準々決勝で、日本学園に5-1と快勝した。公式戦9戦連続本塁打はならず、高校通算最多とされる107号は次戦に持ち越されたが、好守&1安打2四球とつなぎ役で貢献した。28日の準決勝は、八王子学園八王子と明大中野八王子の勝者と対戦する。

 清宮は、外に外れたボールを冷静に見送った。1回1死二塁、先制の好機にも外角直球を3球連続で見極め、1ストライク後の変化球にもバットを出さなかった。二進後、雪山の適時打で生還。2回2死一塁でもストレートの四球で出塁し、4回にはコンパクトなスイングで左翼へ二塁打を放った。107号は持ち越されたが、打線をけん引した。

 清宮 今までだったら振ってたかもしれませんが、つなげばいいかと。フォアボール、OKという感じで余裕を持って入れた。

 ゾーンのギリギリを突かれるなど、相手バッテリーの攻めも厳しさを増している。だが、数日前に見返した2年前の夏の映像で原点に返った。甲子園で4強入りした時の加藤雅樹主将(早大2年)が、西東京大会の優勝インタビューで語った言葉が突き刺さった。「みんなと一緒につなぐ気持ちを」(加藤)。この日観戦に訪れた加藤の前で、“加藤スタイル”を体現した。