春夏を通じて初の甲子園出場を決めた藤枝明誠が歓喜から一夜明けた27日、同校などで全国高校野球静岡大会優勝を報告した。中田悠斗主将(3年)は、同校での報告会で「日本一」を目指すことを誓った。選手たちは「日本一、1番が長い校歌」(藤枝市発表)を繰り返して歌い、頂点に立つ決意だ。

 夏休み中に集まった在校生、教職員ら約100人を前に、マイクを握った中田が力強く言った。

 「日本一を目指して甲子園に乗り込みます。応援よろしくお願いします」

 選手たちは静岡大会の前から「甲子園で勝つことが目標」と言い、甲子園初出場を決めた昨夜も「まずは1勝」と声をそろえていた。それを一転、中田が上方修正した。「行くからには日本一。『気持ちは技術を上回る』と言ってきましたが、甲子園はもっと気持ちが入るはずです」。

 午後には藤枝市の北村正平市長(70)を表敬訪問。北村市長から「藤枝には日本一がいくつかありますが、(藤枝明誠の)『日本一長い校歌』を響かせて欲しい。グラウンドにも一番長くいてほしい」と激励を受けた。現実に同校の校歌(1番のみ)は、伴奏から歌い終えるまで3分1秒。1分台、1分を切る校歌も少なくない中、話題になることは確実だ。

 全国的に注目のユニホーム、「サッカーのまち」藤枝市の学校であることも含め、話題性豊かな藤枝明誠。力を発揮して白星を重ねれば、「夏の主役」も夢ではない。【鈴木正章】