盛岡大付(岩手)の主砲、3番植田拓外野手(3年)が3季連続本塁打を放ち、チームを春夏連続、夏は初めての8強に導いた。

 1点を追う9回無死から「負けていたので、後ろにつなぐ意識でした」と、起死回生の同点ソロを中越えに運んだ。延長10回には1点を勝ち越した直後に、試合を決める2打席連続の3ラン。カウント3-0から捉えた打球は、バックスクリーンに飛び込んだ。「甲子園でバックスクリーンに打てた。一番きれいな飛び方」。身長165センチの小さな強打者が、声を弾ませた。

 大会前まで高校通算60号で松井秀喜(星稜)に並んでいたが、松井を抜く61、62号を連発した。打撃戦を制した関口清治監督(40)は「選手が救ってくれた。特に植田の9回の1発。あれで攻めるのが楽になった」と喜んだ。

 植田は昨夏、創志学園(岡山)との2回戦で、今春のセンバツは履正社(大阪)との準々決勝で本塁打を放っている。3季連続は「全然、意識していなかった」と話した。