花咲徳栄(埼玉)は猛打で初の4強入りを決めた。今日21日の休養日を挟み、明日22日に準決勝が行われる。

 花咲徳栄・野村が特大の先制弾を放ち、チームを初のベスト4に導いた。2回、内角低め直球を捉えると打球は左翼ポール際中段に飛び込んだ。125メートル弾は今大会2本目、高校通算28号となった。

 「打った瞬間、本塁打と分かりました。弾道も飛距離も今までで1番です」。埼玉大会では4割超の打率を残したが浦和学院との決勝戦で無安打。その直後から打撃フォーム改造に着手した。スタンスをオープンにし、タイミングの取り方はプロ注目の西川を参考に「静から動」を「動から動」に大きく変えた。

 「今までのフォームだったら詰まっていたかもしれません。今日はその成果が出たと思います」。師匠の西川はまだ甲子園でノーアーチ。ベンチに戻ると「そろそろ打っていいですよ」と先輩に声を掛ける余裕を見せた。

 チームは4戦連続2桁安打。初戦から9、9、10、10得点と機械のように打ちまくる。米国生まれで「ジェームス」のミドルネームを持つ男が機関車のごとく打線を引っ張っている。

 準決勝の相手は東海大菅生。「6月の練習試合で大敗しました。自分も打てなかったので今度は打ちたい」。埼玉勢として93年の春日部共栄以来24年ぶりの決勝進出へ、野村がリベンジを誓った。【福田豊】