来春のセンバツ(3月23日開幕、甲子園)の重要参考資料となる秋季高校野球東北大会が、今日13日から福島で開幕する。12日には福島市内と郡山市内で公式練習を行った。花巻東(岩手)は明日14日の初戦(2回戦)で、昨秋の同大会で初戦負けした角館(秋田)と激突する。最速140キロを誇る1年生右腕、西舘勇陽(ゆうひ)が立ちはだかる。

 新怪物候補の西舘が、角館撃破をステップにセンバツへ導く。「去年負けたのは先輩から聞いている。2年連続で同じ相手に負けてられない」。182センチ、71キロの恵まれた体格から最速140キロの直球とカーブ、スライダーなど多彩な変化球を操る。入学してからすぐに頭角を現した。1年夏からベンチ入りしたのは、西武菊池雄星、日本ハム大谷翔平以来となる。佐々木洋監督(42)は「指先に目がついているほどの制球力。手先も器用で変化球が素晴らしい」と絶賛する。

 成長が止まらない。入学時は127キロだったが、秋の県大会前には140キロを計測した。「自分でもびっくり。しっかり力がついている証拠。(一戸)中学時代は軟式だったので、硬式に慣れたのかも」と分析する。かつて、1年夏に雄星も任された出世番号「17」を背中に刻み、剛球を投げ込む。