関根学園・荒井颯太(3年)は190センチの大型外野手。巨人の入団テストをパスし、吉報を待つ。

 

 巨人にターゲットを絞っている荒井は、やり切った表情でドラフト会議の当日を待つ。9月23日に行われた巨人の新人入団テストを、すでにクリア。雨天のため実戦テストはなかったが、脱落せずに最後まで残った。第1関門のダッシュと遠投で1次通過。続くフィールディングとフリー打撃の第2関門も突破して、調査書を受け取った。「絶対と明言できないけれど、指名の対象になる、と言われた」。

 全国的に無名の荒井がプロ球団に見つかったのは、春季高校野球北信越大会だった。1回戦の啓新(福井)戦だ。最速152キロ右腕・牧丈一郎投手(3年)を見るために12球団のスカウトが集結。0-9の8回コールドで負けたが、速球派から2安打してスカウトたちの目に留まった。熱心だったのが巨人で、新人入団テストの要請も先方の希望だった。

 荒井は、春夏の公式戦通算9試合で3本塁打を放った190センチの長距離砲。竹バットのロングティー打撃で、100メートルオーバーを連発するパワーヒッターだ。安川斉監督(57)は「パワーは高校生離れしている。魅力はボールを遠くに飛ばす力。大化けする可能性がある」と期待する。大型選手ながら、50メートルは6秒前後のスピードだ。

 自分にも厳しい。荒井は「器用じゃない。守備もうまくない。変化球を打てない」と自己分析する。だからこそ、伸びしろはたっぷり。安川監督は「ソフトバンクの柳田(悠岐)選手のように飛ばせるバッターになってほしい」と言う。育成ながら上越市からプロ選手が誕生すれば、14年のドラフトでDeNAに入団した飯塚悟史投手(21=日本文理出)以来2人目になる。【涌井幹雄】

 ◆荒井颯太(あらい・そうた)1999年(平11)9月27日、上越市生まれ。城東中卒。野球を始めたのは富岡小2年から。中学時代は軟式で一塁手。高校では1年春から背番号3。高2の秋は背番号1。高3から9番になった。右投げ右打ち。190センチ、98キロ。血液型A。