今年創部120周年を迎える膳所(ぜぜ=滋賀)が、21世紀枠で今春センバツに出場することが決まった。その原動力となったのが、昨年春に募集したデータ解析専門の部員だ。野球経験のない野津風太さん、高見遥香さん(ともに1年)の男女2人が「データ班」として加わり、秋季滋賀県大会8強に進出。これが評価され、59年ぶり4度目となるセンバツ切符を手中にした。

 野津さんは、主にデータ解析のプログラミングを担当。野球が好きなわけではなく、入部した理由も「クラスメートに誘われたから」。昨夏の1年生大会ではケガで選手が足りなくなり、代役を頼まれたが断ったという。

 笑顔のすてきな高見さんは田中広輔ファンのカープ女子だ。NHKのテレビ番組「球辞苑」を見て、野球のデータに興味を持った。「広島の菊池が、田中が塁にいると打率が上がるとか、面白いなと」。書道部と兼務しており、主にデータ入力を担当する。

 データ班設置を発案した、上品(うえしな)充朗監督(48)が「意外と立っているところにボールが飛んでいく。おもろいな」と思うほど効果があった。主に打球方向の解析を参考に、甲子園にもデータ野球で挑む。春夏通算6度目の甲子園で初勝利なるかは、野球を知らない2人にかかっている。【浜田司】