明秀学園日立(茨城)細川が、2試合連続の完投勝利でチームを大阪桐蔭との3回戦に導いた。昨年11月にDeNA山崎を参考に習得したツーシームを有効に織り交ぜ、9回5安打1失点。新球の割合が増えた5回以降は、1安打無失点に抑えた。「最初から1人で投げるつもりで上がった。ツーシームを見せ球に、真っすぐとスライダーで打ち取れた」と振り返った。

 タフな体は両親から譲り受けた。父智さん(53)は横浜商大高、横浜金港クラブでプレー。高校では50メートル走6秒0の遊撃手だった。母真紀さん(46)も100メートル走で国体出場。細川自身も中学時代に400メートル走で茨城県大会で優勝し、全国大会に出場した。この冬、食事とウエートトレで体重は6キロ増。仲間から「馬」と言われる尻回りは飛行機の座席からはみ出るほどで、球の威力に直結した。

 兄のDeNA成也(19)の言葉で、自分を取り戻した。3失点だった1回戦の瀬戸内戦後にLINEで「もっと楽しめ」と激励され、原点回帰。金沢成奉監督(51)には部屋に呼ばれ「向かっていけ」と背中を押された。次戦で大阪桐蔭と相対するエースは「名前負けしないように。気持ちでぶつかって、自分の投球ができれば抑えられる」と強気に話した。【久保賢吾】