一関学院が7-2で、昨夏王者の盛岡大付を2季連続で撃破した。故障明けで今年公式戦初先発となったエース滝田丞(3年)が8安打2失点完投勝利、5回にはダメ押し本塁打を放つなど、投打で活躍した。

 滝田のガッツポーズが止まらなかった。3、5、7回に続き、最終回も三振締め。最後の打者を空振り三振に仕留めると、雄たけびを上げながら右手で力こぶしを握った。2-1で迎えた5回裏には、自らのソロ弾で追加点。「狙っていました。4番の僕が打てば勢いがつくので、入って良かった」とエースで4番の意地を見せ、三塁を回ると歓喜の雄たけびで喜び爆発させた。

 144球の熱投で強力打線を料理した。「みんなが点を取ってくれたので、打者に集中できた。初球から強いスイングをしてくるのが分かっていたので、内外にうまくかわして余裕を持って投げられたし、負ける気がしなかった」と胸を張った。3月の練習試合で左脇腹を痛め、地区大会はベンチ入りせず治療に専念。復活マウンドがいきなり盛岡大付でも動じなかった。昨秋は準々決勝で4-3の1点差で逃げ切り、同校の県内公式戦連勝も「30」で止めた。沼田尚志監督(59)は「ボールもそこそこ走っていたし、病み上がりだったがよく投げてくれました」と、期待に応えたエースをたたえた。

 滝田は「以前は負けていると声が出なくなったが、雄たけびの声量も増してきた」と快勝に笑顔だった。今年からメンタルトレーニングを取り入れ、チーム一丸となってプラス思考で試合に臨んでいる。難敵に連勝した勢いのまま、滝田が悲願達成まで叫び続ける。【下田雄一】