日大三(東京1位)が常総学院(茨城1位)を9-8のサヨナラで下し、決勝進出を決めた。

 両軍合わせて6本塁打、23安打の打撃戦を制したのは、日大三・日置航内野手(3年)と高木翔己外野手(3年)の親友コンビのバットだった。

 1点ビハインドで迎えた9回裏。先頭の日置の左越えソロ本塁打で8-8の同点に追いつくと、2つの四球と左前安打で1死満塁に。続く8番・高木が中前へサヨナラ打を放った。

 高木はセンバツでは代走と守備固めでの出場のみ。この日は6回の代打からそのまま出場した。「こんなに試合で使ってもらったのは初めて。楽しい!」公式戦の大舞台。チームの勝利がかかった大事な場面を楽しんでいた。

 昨秋、打力を生かすために投手から野手に転向。一緒に自主練習に付き合ってくれたのが、日置だった。

「いつもティーを上げてくれて、打ち方を教えてくれた。変化球の対応ができるようになったのは、日置のおかげ。今日のサヨナラ打も打った球は高めのチェンジアップ。自信を持って打席に立てた」と、親友に感謝した。

 日置の同点本塁打に、高木のサヨナラ打。2人の友情が勝利に導いた。ベンチに戻ると、2人は抱き合って勝利を喜んだ。

 高木に加え、佐藤コビィ外野手(3年)も公式戦初本塁打を記録。小倉全由監督(61)は、「これまで、なかなか試合に出られなかった選手が打って勝てた。チームにとって、いい刺激になったでしょう」と、話した。全員野球で打撃戦を制した日大三。大きな収穫を手に、明日の決勝戦に臨む。