母校の県岐阜商に、指導者として戻った鍛治舎巧監督(67)が夏の初陣を白星で飾った。2回、大垣西に3点を先制されたが、直後に4点を奪って逆転。その後は毎回得点し、7回コールド勝ちを決めた。「指導者として、グラウンドで母校の校歌を聞くのは不思議な感じです」。新監督は夏1勝をかみしめた。

 公立校の限られた練習時間で、質を重視。鍛治舎監督の指導のカギは数字だ。投手はスピードガン、打者はスイングスピードを計測。数字を意識させた。特に打撃面について、速い球にも打ち負けないスイングを徹底させている。藤井健也投手(3年)は「練習が結果として表れている。うれしい」と、確かな手ごたえを感じていた。

 鍛治舎監督は、昨夏まで率いた秀岳館(熊本)を4季連続で甲子園に導いた。この日、応援席で声を張り上げていた野球部OBの佐合豪正さん(42)土屋友秀さん(43)は、指揮官に古豪復活を期待する。「強い母校復活させてほしい」とエールを送る。6年ぶりの夏の甲子園へ。多くの地元の期待を背負うが、鍛治舎監督は「目の前を精いっぱいやるだけ」と気を引き締めていた。【鶴屋健太】