高校野球のオールドファンにはなじみの深い上尾が、早大本庄に快勝。準決勝に駒を進めた。

 放った13安打で13得点はいかにも派手だが、安打の内容は三塁打が1本だけで12本が単打。高野(こうの)和樹監督(51)は「大きいのを狙うのではなく、地味にいくのがうちの打撃。その方が相手にはボディーブローのように効いてくる」と目指す打撃に会心の表情。先発した木村歩夢(3年)が熱中症の症状を訴え交代というアクシデントはあったが、それを補って余りある打棒爆発だった。

 上尾は、監督自身が2年だった84年(昭59)に甲子園に出場して以降、鳴りを潜めている。「自分の代を最後に出ていない。でも、今は目の前の一戦を取ることだけ。それだけです」。