「バンビ」の愛称で親しまれ、東邦(愛知)の1年生エースとして、77年夏に準優勝を果たした坂本佳一氏(56)が「レジェンド始球式」に登板した。41年ぶりの甲子園のマウンドに「光栄です」。投げたボールは山なりながらもノーバウンドで捕手のミットに収まり、球場からは大きな拍手が起こった。

 77年夏は1年生投手ながら、甲子園の全5試合で完投した。「自分の人生の原点が甲子園になりました」。甲子園で有名になったことで「野球を辞めた後でも、声をかけてくれる。その後押しが力になった」と、人生の原動力になったと振り返った。

 また、高校時代の恩師で、今夏の甲子園出場校の監督の中では最高齢の阪口慶三監督(74)にも思いをはせた。5日の開会式後に話したといい「いまだに監督の位置に立ち続けて、熱い気持ち変わっていない。老体にムチ打っているのは、(優勝を逃した)私の責任かな」と笑顔で話した。