11年ぶり6度目出場の金足農(秋田)は、6番高橋佑輔内野手(3年)の逆転3ランで横浜を5-4で破った。

 2-4で迎えた8回裏1死一、二塁で初球の高めに浮いたフォークをフルスイング。バックスクリーンに運ぶ高校初アーチに「一塁を回って入ったのが見えた。最初はセンターに捕られるかなと思ったけれど、伸びてくれた。頭が真っ白であまり覚えていません」と興奮気味に喜んだ。

 打席に入る直前に、攻撃の伝令で菅原天空内野手(3年)から「初球からボール球でも良いからフルスイングしろ」と声をかけられた。すかさず「背中を思い切りたたいて」とお願い。「バシッ!」と鈍い音が甲子園に響くほどだった。秋田大会3回戦でサヨナラ打を放った際、吉田輝星投手(3年)から同じことをしてもらって結果が出たことを思い出して再現した。「吉田がピッチングで踏ん張っていたし、助けられてよかった。吉田もホームランを打っていたので、全部あいつに持っていかれてはいけないという気持ちもありました」と会心の表情を見せた。

 9回表は吉田が自己最速タイの150キロをマークするなど、3者連続三振で締めた。18日の準々決勝では近江(滋賀)と対戦。高橋は「近江も甲子園で実績のある学校で強いと思う。秋田県だけでなく、全国の農業高校を代表して戦いたい」と23年ぶりの準々決勝に挑む。