下関国際(山口)がまさかの逆転負けで、4強入りはならなかった。エース鶴田克樹投手(3年)が、2点リードの8回にわずか3球で3連打を浴びて同点に追いつかれるなど、まさかの3失点。7回2死まで無安打無得点を続けていた右腕が、まさに「天国から地獄」を味わった。

 鶴田は試合後、目を真っ赤にして「8回は失投でした。投げ急いでしまった」と下を向いた。「このままノーヒットが続くとは思ってなかったし、日大三相手に0点で抑えられるとは思ってなかった」と警戒はしていながら「何げなく投げてしまった」とまるで甲子園の悪夢に取りつかれたようだった。甲子園の土も「時間がなかった」と持ち帰ることができないほど、ショックは大きかった。

 春夏通じて甲子園初勝利から3勝しベスト8の成績を残し、坂原秀尚監督(41)は「鶴田を中心によく守ってくれた。途中までノーヒットだったことは、日大三さんには関係なかったんでしょう。100回大会に出場できて3勝もして選手には感謝している」と05年に部員1人だった苦難からのサクセスストーリーに、感慨深げだった。