高校日本代表がスーパーラウンド初戦の台湾戦に臨み、1-3で完敗した。

打線を大幅に組み替え攻撃的なオーダーで臨んだが、相手先発のサウスポー・王彦程の前に力負けし、わずか2安打。同点の4回から登板した金足農・吉田輝星投手(3年)が2点を失い敗戦投手となった。力差を見せつけられる格好で2大会連続6度目の優勝の可能性が消滅。中国との3位決定戦に回る。

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<敗因1 木製バット>

9回2死、根尾が遊ゴロに倒れ史上初の連覇の道が消滅した。ベンチで戦況を見守った吉田はベンチをたたき、悔しさをにじませた。台湾の先発左腕・王彦程にタイミングが合わず、散発2安打で1得点。4回を除き無安打と沈黙した。永田裕治監督(54)は「選手は一生懸命やったが、打てなかった」と唇をかんだ。

最大の敗因は貧打だった。5日の韓国戦は5安打で、この日は2安打。投手陣は2試合連続の3失点と粘ったが、援護がなかった。貧打の原因は何か。昨年のU18ワールドカップ(W杯)に続き、国際大会を経験した2人が明確に示した。

 藤原 日本は当てにいくが、(世界は)振ってくる。振る力がないです。

 小園 木のバットへの対応力です。ちゃんとしたスイングができなかった。

<敗因2 きめ細かさ>

日本のストロングポイントでもある細やかな野球でも、アジアのライバルに屈した。韓国戦では粘られた末に出塁され、痛恨の1発。台湾戦は2死三塁からのセーフティーバントを含む4度もバントを決められ、失点に直結した。2戦で計5失策と守備からリズムを崩し、精鋭たちは現実を突きつけられた。

<敗因3 国際ルール>

国際ルールに、小技や足も阻止された。2回、中川が四球で出塁したが、日本ではボークを取られるけん制にくぎ付け。日本よりもルールの規定が緩く、得意の足を使えなかった。ストライクゾーンにも対応できず、早打ちを誘発。永田監督も「動けなかった」と話したが、球数制限がある中、淡泊な攻撃で完投を許した。

来年開催のU18W杯出場に向け、瀬戸際に立たされた。韓国、台湾の決勝進出が決定。日本は中国との3位決定戦が決まった。U18W杯は3位以上が出場条件で、必勝が求められる。永田監督は「何とか、死守したいです」。侍ジャパンの歩みを止めるわけにはいかない。【久保賢吾】