今秋ドラフト候補に挙がっていた中央学院(千葉)の「二刀流」大谷拓海投手(3年)が、プロ志望届を提出せず、社会人野球の強豪・セガサミーへの入社を予定していることが21日、分かった。

大谷は大きくなるために決断した。今春「エースで4番」として同校初の甲子園出場へ導いた。初戦(2回戦)で敗れたが、最速145キロ、通算33本塁打の打棒にプロのスカウトも注目した。しかし、5月下旬に打球を右側頭部に当て「頭蓋骨骨折」などの診断を受けた。約1カ月間安静し、夏の西千葉大会で登板したが本調子には程遠かった。甲子園では「4番右翼」で先発出場も登板機会なく敗戦。試合後「(プロ志望届を)出したい」と話したが、相馬幸樹監督(38)、両親と協議し力をつけてから夢へ挑戦する決断をした。

引退後も練習を重ね、現在体は万全だ。社会人シダックス出身の相馬監督は「頭のケガのこともあった。今の力では社会人1年目から活躍するのも大変だし、自分と周囲の評価を冷静に判断しようという話もしました。プロ入りの目標を持ちながら、社会人野球で人間的にもさらに成長してほしいです」と話した。

◆大谷拓海(おおたに・たくみ)2000年(平12)7月13日、千葉県生まれ。小2から野球を始め、滝野中では船橋シニアに所属。中央学院では1年春から外野手で出場し秋からエース。今年は春夏連続で甲子園に出場した。178センチ、78キロ。右投げ左打ち。