市和歌山(2位)が近江兄弟社(滋賀2位)との打撃戦を制した。3年ぶりのセンバツに前進したが、失策が失点にからむケースがあり、半田真一監督は「守備をしっかりやり直さないと」と渋い顔。記録上の失策は1個ながら、米田航輝主将(2年=捕手)も「守備の面では、ここまでやってきたことを出せていなかった」と反省した。

この日、市和歌山は17人で戦った。ベンチ内には「11」のユニホームがハンガーにつるしてあった。二塁、三塁を守る2年生の控え内野手が2日前、父を急な病で失った。「あまりにも急で、本当にショックだったと思います」と半田監督も沈痛な表情で、教え子を思いやった。

この日、当該選手はベンチを外れたが、チームは19日に神戸入りした際、背番号11のユニホームも連れてきた。ともに戦う、という思いを込め、ベンチにかけた。当該選手からも「頑張ってくれ」という激励が、当該選手からLINEで送られてきた。「次の試合には戻ってきてくれると思う。また一緒に野球をやろう、甲子園にも一緒に行こうという思いできょうは戦いました。そういう気持ちも力になりました」と、米田は1回戦突破にチームを導いたナインの総意を明かした。守備に課題は残ったが、市和歌山は不幸に見舞われたチームメートに近畿大会初戦突破という好結果を伝えることができた。