今春の選抜大会1回戦で対戦した2校が再戦した。選抜同様に、星稜は奥川恭伸投手(3年)、履正社は清水大成投手(3年)のエース対決も実現した。

奥川は4日の北信越大会決勝以来、中4日での登板となり、6回4安打9奪三振で1失点。最速は149キロを計時した。

「今日はちょっと硬かった。ボールの回転だったり直球のキレも良くなかった」。奥川の自己評価は低めだった。

相手の履正社には「対応力が選抜の時よりついていた。さらにパワーアップしていた」と、今春のセンバツは3安打完封した敵の成長も肌で感じた。「圧力のあるチームとやることができて、自分にとってプラスになった」と言い、さらに経験値を重ねることができ、手応えもつかんだ。

両校すべての得点が本塁打。履正社2本、星稜4本と計6本塁打が飛び交った。初回、星稜が2番有松和輝外野手(3年)の右越えソロで先制すると、3回裏にも東海林航介外野手(3年)の右越えソロで加点した。

2点を追う履正社は4回表、小深田大地内野手(2年)の中越えソロで初得点。1-3の9回表、履正社は1死一塁から6番野口海音捕手(3年)の左越え2ランで同点に追いついた。だが、その裏、2死から内山壮真内野手(2年)がサヨナラの中越えソロを放ち、選抜以来の「再戦」も星稜が制した。

今春の選抜での暴言をめぐる指導禁止処分が5日に解けた星稜の林和成監督(43)は、この日が復帰後に指揮した2戦目。「勝ちきれて良かった。(履正社の)打者の対応力が奥川についてきている。そういう部分では選抜と違う。奥川は本来の感じではなかった。よく1点で抑えてくれた」とねぎらった。