県岐阜商が終盤に3点差をはね返して逆転勝ち。初戦から辛勝だった。

1年生の頑張りが生きた。0-3の3回から野崎慎裕(のりひろ)投手がリリーフ。170センチの左腕は伸びのある直球を軸にアウトを重ねた。4回に不運な安打などで2失点したものの、以降は無失点で7イニングを投げきった。

春季大会から起用され、初めての夏は背番号10を背負う。苦しい夏の初戦を勝利に導いた1年生について鍛治舎巧監督(68)は「こっちが(気持ちを)抑えろと言うくらい強い子。要所を締めて、よく投げてくれた」と評価した。

野崎が参考とする投手は「川端さん、田浦さんです」。かつて率いた秀岳館(熊本)で甲子園4強の原動力になったダブル左腕。現立大の川端健斗と現ソフトバンク田浦文丸だ。独特の変化をする田浦のチェンジアップなど、両投手の長所を監督から教わって、磨きをかけている。

野崎の目標は5度の甲子園出場だ。「2点取ったあとに2点取られたのがダメです。甲子園に行くのが第1。まず1勝できたけど、まだ何試合もある。任された場面でしっかり抑えたいと思います」と気のゆるみはなかった。

1年生の好投に応え、7回、8回で同点。9回2死一、三塁から4番の佐々木泰内野手(2年)が左翼線に決勝二塁打を放って接戦を制した。

佐々木は4回にも高校通算22号の2ランと打線を引っ張った。打者陣は相手の下手投げ投手の遅い球にてこずった。佐々木は「ネクスト(サークル)で足を上げるタイミングを計っていた。バットのヘッドが走ると先っぽに当たってしまうので、バットの面を出すように打ちました」と技術を発揮した一打だった。