「馬淵マジック」で明徳義塾がスーパー1年生森木を攻略し、2年ぶり20度目の夏甲子園を決めた。

相手の高知の1年生エース、森木大智投手がベンチスタートとなった中で、試合は始まった。高知先発の安岡拳児(2年)から初回に暴投で先制点を奪うと、3回から早くも森木が2番手でリリーフ登板。試合前まで今夏2戦10回で無失点右腕の代わりっぱなを攻め立てる。安打と四球で1死一、二塁とし、4番安田陸捕手(3年)が左前へ適時打。森木にいきなり今夏初失点をつけた。打席に入る前には馬淵史郎監督(63)が控え選手を介して指示を送り、見事に結果につながった。さらに四球で1死満塁とし、6番小泉航大(3年)がスクイズを決め、難敵からこの回2得点を奪った。

5回には2死三塁から、5番奥野翔琉外野手(2年)が中前へ追加点の適時打。27日準決勝で2安打を放ち、決勝では6番から5番に打順を上げた奥野が指揮官の起用に応えた。

投げては今夏初登板初先発の2年生左腕、新地智也が高知打線を4安打1失点。聖地への切符をつかみ取った馬淵監督は優勝インタビューで「全身全霊を掛けてこの決勝戦に臨んだ。良かった」と笑みをこぼした。指揮官は決勝は新地を登板させることを決めていたという。その采配に応えた新地は「(馬淵監督から)『いつも通り投げたら大丈夫だ』と言っていただいたのでいつも通り投げました」と大役を果たした。

3回からリリーフした森木は9回まで投げきり、7回を6安打3失点。6回の第2打席では唯一の得点となった意地の高校通算1号ソロを左翼席にたたき込んだが、今春四国王者の壁は高く。1年生エースで目指した甲子園への道は、あと1歩で阻まれた。