台風10号の影響で遅延などが心配された16日の全国高校野球選手権は予定通り午前8時から第1試合のプレーボールがかかった。

日本高野連の竹中雅彦事務局長は「心配はしていなかった。6時30分に話し合ったら(阪神)園芸さんが『時間通りにいけます』と言ってくれました」と話した。

甲子園球場のある兵庫県西宮市は前日からこの日朝まで強い雨が降った。だが午前5時すぎには小降りになり、6時前には完全にやんだ。

「神整備」で知られる阪神園芸のスタッフは午前5時すぎに集まり、水たまりがある程度引くのを待って、午前6時から整備を開始した。台風の時は内野を覆う巨大シートを敷けないが、約20人のスタッフがてきぱきと動き回り、試合開始時にはすっかりベストコンディションになっていた。両校のシートノックも通常通りに行われた。

阪神園芸の金沢健児甲子園施設部長は「強い雨の方が逆にグラウンドが締まるし、土にしみ込まずに流れていくので、早めにできるんです。昨日の段階で(やんでから)1時間半あればいけると思いました」と、こともなげに説明した。

今大会はほとんど雨が降らず、黒土のコンディションはよくなかった。金沢部長によると、今回の雨を利用して整備をすれば、数日間はいいコンディションを保てるという。