明石商(兵庫)の夏が終わった。試合後、お立ち台に上がった狭間善徳監督(55)は「完敗です」と近畿対決を振り返ったあと、明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督(63)との秘話を明かした。

「馬淵監督から『お前の背中には神様がついとる。風呂に入るなよ』と言われていたのに、風呂に入ってしもうたのがあかんかったんかな。ぼくはけっこう、きれい好きなんで」と名将からの助言を“無視”したことを明かし、周囲を笑わせた。

一方で、チームへのねぎらいを何度も繰り返した。「1年360日、ずっと練習して。ほんまにようやったと思います。みんな、ええやつでね」。この日で部活を終える3年生の頑張りに報いるように、兵庫大会から勝負どころでの伝令役だった百々(どど)亜佐斗外野手や井上隼斗内野手を試合終盤には守らせ、9回は窪田康太外野手を代打に送った。次打者席には、やはり3年の溝尾海陸(かいり)が控えていた。

試合中の熱いガッツポーズで、すっかり“狭間ガッツ”としてキャラ立ちした熱血指揮官。「監督がだれよりも頑張っている。一生懸命にやっている。本当に選手の1人。だから、何があっても安心して監督についていけるんです」と教え子から信頼される監督。同じ熱量でともに戦い、春夏連続4強で今年の甲子園を終えた。