夏の甲子園大会と、その出場校を決める地方大会の中止が決まった。各都道府県は独自の大会の道を模索することになった。25日現在の47都道府県の動きを調べた。秋田、千葉、東京、愛知、岡山、佐賀、沖縄の1都6県が独自大会の開催を発表した。

【北海道】

20日、夏の甲子園中止を受け、遠藤直樹会長(59)が公式ホームページ上でコメントを発表し、北海道独自の大会開催を検討していく方針を打ち出した。同会長は「北海道連盟独自の大会開催等を含めた対応は、今後の会議で慎重に議論してまいりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします」とコメントした。地区予選や南北北海道大会開催のために会場は確保しており、長距離移動や宿泊を、可能な限り避けながら開催する方法などを今後、会議を重ね判断していく。

【青森】

6月5日に理事会。

【岩手】

20日、県高野連の南舘秀昭会長がコメントを発表。「選手権は高校球児にとっての憧れであり、青春をかけた目標といえます。夢の舞台への道を閉ざされた球児たちの無念を思うと、私たち高校野球に関わる者にとっても誠に残念な思いです」。同高野連は岩手大会の開催に向けて準備してきたが、今後は開催の可否も含めて再検討する意向。

【秋田=7月に独自大会開催の方向で調整】

23日、独自の代替大会を7月に開催する方向で調整することを発表。新型コロナウイルス感染リスクを抑制するため、無観客試合とし、開会式なども行わない意向。本来はトーナメント形式だった大会の実施方法や、保護者や学校関係者の入場を認めるかどうかなどは今後に検討を重ね、6月中に結論を出す見込みだ。

【山形】

28日に理事会。

【宮城】

6月5日に理事会、11日に運営委員会。

【福島】

今後の対応を5月29日の臨時理事会で協議。

【茨城】

26日に理事会。

【栃木】

28日に理事会。

【群馬】

群馬県の独自大会については今後の学校再開、部活動再開等の状況を勘案し、関係機関と連絡調整を行いながら、6月以降に予定されている理事会や大会運営委員会で協議し検討。

【埼玉】

代替大会の開催を検討。27日に運営委員会。

【千葉=8月に独自大会開催すると発表】

22日、千葉市内で臨時の理事会を開き、千葉県独自の大会を8月に開催すると発表。球場の確保、部活動の活動状況等を検討した上で、現状では日程を確定できないとし、内容も今後、高野連から発表されるガイドラインに沿った形で検討する。千葉県は6月1日に学校を再開し分散登校に。順調にいけば6月15日から時差登校と、部活動の再開へ向かっていくものと見られる。しかし今後、再び感染状況が拡大することも考えられるため、予定通りに部活動が実施されるかは、いまだ見えていない。現状においては、すべてを見極め8月に入り可能な日程を決めていく。なお、秋季高校野球大会予選は予定通り8月20日から開催の予定で、代替の大会についても秋季大会に影響のないように日程を組む予定だという。

【東京=7月11日開幕の独自大会目指す】

東西東京大会を開催する方針を変えていない。緊急事態宣言解除と学校再開で部活動開始を条件に、独自大会を目指す。武井克時理事長は「近く、いつから球場が使えるか確認し、6月初めの理事会で準備を進めたい」と意欲を示した。既に暫定日程を発表。開幕を1週間遅らせ、7月11日としている。「医師によれば、暑さに慣れるのに2、3週間は必要。6月20日までに部活が再開されていれば」と願った。現時点で出場辞退を申し出た学校はないという。

【神奈川】

6月4日に理事会。

【山梨】

29日に運営委員会。

【長野】

29日に運営委員会。

【新潟】

20日、富樫信浩・県高野連会長(59)は新潟独自の大会開催については今後、可能性を探ることを明かした。「社会情勢がどうなっているか。学校が再開になっていない状況では判断ができない」と話した。県立校は6月1日から授業が再開される予定だが、部活動に関しては不透明。各校とも2月から十分な練習ができていない状況で危険も伴う。「野球の場合、ボールが頭に当たれば命に関わりかねない」。富樫会長はリスク回避を重視した。一方で「現場の意見を聞きたい」と県高野連の幹事会や現場の指導者からの考えも参考にする。9月には秋季大会が控えているため「9月に開催するのは現実的ではない」とし、「チャンピオンを決める大会にはできない。トーナメントの大会のイメージでは無理。練習試合、リーグ戦は考えられるかもしれない」

【富山】

未定。

【石川】

「野球部員が成果を示す代替の石川県大会の開催を検討しています。ただし、部活動再開と対外試合解禁となる時期や、8月上旬まで各校が授業となる状況などを考慮し、日本高野連や石川県教育委員会、その他の関係機関と慎重に協議の上で、判断いたします」(県高野連HP)

【福井】

6月12日に理事会。

【静岡】

県高野連・渡辺才也理事長 「独自の代替大会の開催を検討したい。やるのであれば無観客がベースになると思う。夏の期間で終わらせたい。来月5日の第2回運営委員会で、何らかの方向性を示したい」

現時点では6月1日から、公立高でも段階的に部活動が再開される予定だ。同理事長は「目標があるとないでは違う。選手のこれまでの努力が無駄にならないようなものを示していきたい」

6月5日に運営委員会。

【愛知=独自大会開催発表】

20日、甲子園大会とは関係のない、県独自の公式戦の開催を発表した。同連盟の神田清理事長は文書で「愛知県高野連では3年生に公式戦の機会をつくりたいと考え独自の大会を検討しています。日本高野連からの大会開催のガイドラインを参考に、選手の安全と健康を考え、できる限りの準備をして開催したいと考えています」。県内では休校が続き、部活動も停止中のため、具体的な日程は未発表。今後会議を重ね、詳細については6月5日の運営委員会で発表する予定。6月20日に抽せん会(刈谷市総合文化センター)で13時から開催予定。

【岐阜】

21日、新型コロナウイルス感染対策以外にも課題が多く、開催への道は困難となっていることが分かった。県教育委員会が部活動の再開は6月15日からに設定。さらに当面の間、対外試合が禁止されている。練習などの準備期間を考えると、当初地区大会開幕が予定されていた7月11日よりも遅らせる必要が出てくる。使用予定だった球場が感染防止のため閉鎖されるなど会場面、経費面などの問題も多い。県高野連は「慎重に審議したい。6月4日がタイムリミット」とし、ギリギリまで知恵を絞る。

【三重】

26日に理事会。

【滋賀】

検討中。

【京都】

府高野連は21日、「京都ではまだ1校も練習を再開していない。さまざまな課題を検討中」と慎重な姿勢を見せた。

【大阪】

大阪府高野連の伊原登理事長は21日、独自大会について「やる、やらないを含め検討する。3年生のためにやりたいという思いは誰にでもある。やるなら無観客での実施なので、大きな支出は覚悟している」と、メールなどで理事たちと議論を

重ねていることを明かした。

【兵庫】

21日、独自大会は開催、なしの両方で検討を始めた。

【奈良】

22日に理事会を開き中止となった夏の全国大会の代替大会開催可否を審議。結論は持ち越し、29日に再度理事会を開いて検討を重ねる。

【和歌山】

検討中。

【岡山=独自大会開催方針決定】

県高野連は21日、倉敷市内で理事会を開き、中止となった夏の全国高校野球選手権大会の代替となる岡山県独自の大会を開催する方針を決めた。休校中や、部活動停止の学校も多く、準備期間を確保するために、当初予定していた7月10日から18日に開幕を遅らせる。夏休みの短縮、授業の遅れなど学業面を考慮し土日、祝日に試合を行う。今後、感染防止策などの準備を進め、正式決定する。6月4日に理事会。

【鳥取】

21日、平井伸治県知事が野球など高校スポーツの県独自の代替大会開催を表明。経費補助も行う意向を示したほか、公式戦の消滅で大学推薦の可能性を失うなど進路への影響も懸念されることから、「YOU TUBE(動画サイト)」で大会の様子を配信する策も検討。6月5日に運営委員会。

【広島】

日本高野連から掲示される独自の大会開催におけるガイドラインをもとに、今後の対応について協議。

【島根】

26日に理事会。

【山口】

5月中に理事会。

【徳島】

今週中に運営委員会。

【香川】

20日、独自での県大会の開催に向けて準備することを明かした。同連盟の福井博三理事長は「(独自大会を)やる方向で準備します。(観客動員は)入れたい思いはあるけど、現状としては厳しい」と無観客開催になる方向性を示した。県内は5月末まで休校となっており、部活再開の見通しは6月上旬からの予定。今夏の香川県大会は7月11日から開催予定だったが、現状を考慮して10日前後遅らせての開催を想定しているという。「少しでも練習や練習試合の機会を作ったり、暑さに慣れる期間を作りたい。他県の(コロナ)対策方法も聞きながら考えていきたい」。同連盟は、地方大会の中止が決定する以前から独自大会開催の可能性を模索しており、常任理事会での承認を待つ。

【愛媛】

8月に予定していた新人戦を中止にし、その期間に代替大会を実施することを検討

【高知】

検討中。

【福岡=代替大会なし 全国で初めての発表】

25日に夏の甲子園大会の代替大会を行わないことを発表した。開催しないことを決定したのは、全国で初めて。23日に常任理事会を開き、新型コロナウイルス感染のリスクなどから選手の安全面を考慮し決断した。

【佐賀=7月11~30日に独自大会開催】

23日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今夏の甲子園大会と地方大会が中止になったことを受け、佐賀県独自の代替大会を開催すると発表。大会期間は7月11日から30日で、可能な限り土曜日と日曜日を中心に行う予定。会場は佐賀県立森林公園野球場と佐賀市立野球場を使用し、詳細は今後の会議で決定していく。

【長崎=7月中の独自大会開催を決定】

22日、運営委員会を開き長崎県独自の大会を開催することを決定。当初予定していた7月9日開幕に準ずる日程で検討し、開会式は行わない。6月19日に指導者のみが参加して抽選会が行われる。開催決定の理由について、黒江英樹理事長は「長崎は(コロナ禍の状況が)良くなってきた。来週から、県内に限り練習試合はオッケー(当面は県外との練習試合禁止)。順次学校も再開し、やれそうな雰囲気になってきたから」と話した。今後、新型コロナウイルスの感染防止策など準備を進め、6月5日に2回目の運営委員会を行う予定。

【大分】

「大分県独自の大会(硬・軟)の開催に向けて準備を進めてまいります。6月3日の役員会において、大会の開催可否を含め、詳細を検討する予定です。また、5月末から6月中旬に予定しておりました4校の強化遠征事業は、他県の状況も含め検討した結果、中止といたします」(県高野連HP)

【熊本】

県高野連は今後、6月4日の常任理事会、同11日の運営委員会で、代替大会開催の有無を検討。「感染者発症対策、学校再開に伴う部活動実施等に関する県教委からの通知を遵守、今後も新型コロナウイルス感染症に関する情報を注視しながら関係機関と適宜連携、協議し、変更等に関しては速やかに通知することとする」(県高野連HP)

【宮崎】

6月8日理事会、15日に運営院会

【鹿児島】

「鹿児島大会に代わる試合等の実施可否については、各関係機関や専門家等の関係者の意見を踏まえて総合的に判断していきたいと考えています」(県高野連HP)

【沖縄=7月4日から独自大会開催】

23日、独自の大会を7月4日からトーナメント方式で開催することを決定。例年使用している沖縄セルラースタジアム那覇など複数球場を使用する見通し。中村健理事長は「できるだけ平日を使わないようにして、土日メインでいけたらと思います」と語った。今月下旬まで県立高校は休校で授業が滞っており、学業優先で日程を検討。