秋季近畿大会覇者の大阪桐蔭はスーパー1年生の前田悠伍投手が6回を10奪三振無失点の快投を見せ、逆転勝ちで4強入りした。

1点ビハインドの4回から登板。切れ味鋭い速球をコーナーに投げ込み、スライダーなど変化球もさえた。5回は3者連続奪三振。小気味よい投球が光り、攻撃のリズムを作った。6回は自らの左犠飛で同点に追い付き、伊藤櫂人内野手(2年)の左中間適時二塁打で勝ち越した。

最速145キロ左腕の前田は相手を寄せ付けず「いつでも準備していた。いつ、マウンドに上がってもいいように心構えをしていて、マウンドに上がってから、いつも通りのびのびと投げて。まだ『のびのびと投げていけ』と話をされている。その段階ではダメ。もっと上を目指してやっていきたい」と振り返った。

打線は終盤に突き放して快勝。4年ぶりの出場で秋季北信越大会を制した敦賀気比(福井)に貫禄勝ちで、幸先よく白星発進だ。西谷浩一監督(52)は前田を「まだ1年生。いまはのびのび自分の持っている力を出してくれたらいい。神宮球場の舞台でもしっかり投げてくれた。マウンドが非常に硬いと聞いていた。ウチのグラウンドにはない。練習をなかなかできなかった。その場その場に応じてどうできるか。前田はしっかり順応していた。その場その場、相手がどんなところであろうと、自分の投球をしていた。頼もしく見ていました」とたたえた。【酒井俊作】