甲子園に大観衆が戻ってくる!? 18日に開幕する第94回選抜高校野球大会(甲子園)で、1試合2万人の上限が解除される可能性が高まった。球場のある兵庫県を含む18都道府県に適用中の「まん延防止等重点措置」が21日の期限で全面解除になることが決定。主催者は県のイベント開催の方針に基づいて対応する構えで、条件、準備が整えば19年夏以来の「マンモス甲子園」が復活する。

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高校球児の聖地がかつてのにぎわいを取り戻す日が、近づいてきた。センバツ開幕を翌日に控えた17日、主催者は「イベント開催についての兵庫県の判断が出次第、こちらも会議を開いて結論を出します。多くの方がセンバツを甲子園で見たいと思ってくださる歓迎ムードも含めて、条件、準備が整えば」と、入場者数変更の可能性を語った。

2月21日に有観客での開催を正式発表した際、主催者はまん延防止措置の解除後は兵庫県の方針に応じて入場券の追加販売などに対応するとしていた。今回、政府が21日限りでの全面解除を決め、大規模イベントの人数制限も撤廃。これを受けて、県の方針次第では1試合2万人のリミッターを解除できる可能性が出てきた。

一方で、主催者は国民感情も重視する。大観衆を動員した場合の新型コロナ感染への不安感を拭い去るため、感染状況を見極め、万全の感染対策を講じた上で次の判断をする運びだ。

昨春の大会は上限1万人で開催した。しかし、夏の甲子園大会は「(全国からの)人の移動に伴う感染リスクをなくすため」(日本高野連・八田会長=当時)無観客となった。兄弟校対決となった智弁和歌山-智弁学園(奈良)の決勝や智弁学園・前川右京(阪神)らスター候補生の活躍をファンは球場で見ることができなかった。

コロナが猛威をふるう前の19年夏の履正社(大阪)-星稜(石川)の決勝は、4万4000人が見届けた。履正社の主砲、井上広大(阪神)の豪快なアーチ、星稜のエース奥川恭伸(ヤクルト)の力投を、固唾(かたず)をのんで見守った。すべての条件が整えば、3年ぶりに4万人超の野球ファンが甲子園に戻ってくる。