第94回選抜高校野球大会の本部は25日、広島商が2回戦を辞退すると発表した。

25日に大会への参加を辞退すると申し出があり、大会本部が受理した。

1回戦の勝利校を対象とした大会期間中のPCR検査で24日、同宿者35人中9人が新型コロナウイルスの陽性と判定された。

大会本部は24日夜に緊急対策本部の会議を開き、陽性者らに医療機関での診察を求めた。

陽性となった9人が25日午前に医療機関で診察を受け、PCR検査で9人全員が陽性と判定。その後、学校長から辞退の申し出があった。

また、大会中のPCR検査で陰性だった26人についても再検査を行った結果、2人が陽性と判定された。

26日に予定されている大会第8日第3試合の広島商－大阪桐蔭の2回戦は、大阪桐蔭の不戦勝となる。

主催者は「広島商業高校が大会途中で出場辞退の決断をされたことは非常に残念です。何より、広島商業高校の皆さん、同校を支えてくださっている関係者の皆さまの心情を察するに余りあります」などとコメントした。

広島商は、23日の1回戦で21世紀枠の丹生（福井）と対戦。同校史上最多得点となる22点を挙げ、史上4校目の4元号勝利を飾っていた。

1回戦の勝利校への大会中PCR検査は16校の同宿者525人を対象として行われ、広島商を除く15校は全員が陰性だった。

◆補欠校は開幕前まで　大会の感染拡大防止ガイドラインでは、補欠校として取り扱うのは大会開幕前までと定めている。大会前検査で出場校の対象者に陽性者、陽性が疑われる者が出なければ、その時点で補欠校としての効力を失う。

つまり開幕後は繰り上げ出場はなく、出場校に感染者が出て緊急対策本部で出場不可と判断した場合は対戦校の不戦勝となる。

◆広島商　1899年（明32）創立。商業科、国際経済科、会計科、情報システム科がある。生徒数は927人（女子542人）。野球部も同年創部で、部員は109人。甲子園出場は春22度、夏23度。甲子園優勝は春1度、夏6度。主なOBは元広島達川光男氏、ソフトバンク柳田悠岐外野手。広島市中区舟入南6の7の11。栗田正弘校長。