<高校野球春季関東大会:桐光学園4-3花咲徳栄>◇19日◇2回戦◇宇都宮清原

 桐光学園(神奈川2位)のプロ注目左腕、松井裕樹投手(3年)が花咲徳栄(埼玉2位)戦に先発。12回を投げ18三振を奪い、サヨナラ勝ちした。9回まで15奪三振。延長戦で3個を上積みした。延長12回裏1死二、三塁、竹中俊貴内野手(2年)が中堅にサヨナラ打を放ち、周囲が興奮する中でも松井は冷静に振り返った。「マウンドが合わなかった。今日は調子が良くなかった。それでもイライラすることなく、投げることができた」と話した。

 1回に直球が145キロを記録し、スライダーで三振を積み重ねたが、4回に暴投で1点を失い、6回には左中間二塁打を許して2失点。それでも味方が6回裏に3点を入れて追いつき「粘り強く投げることができた」という。終わってみれば168球で6安打2四球、18奪三振の力投。2時間36分の試合だった。

 中学時代のチームメート、花咲徳栄・関口明大投手(3年)と投げ合った。関口も敗れはしたが145球を投げ抜いた。観客も1万500人が集まった。「お互い、投げ続けている間は(マウンドを)降りたくなかったと思う。たくさんのお客さんの中で、楽しい時間でした」と語った。「勝ちきることができたのはチームの強さ」と、夏に向けて手応えをつかんだ熱投だった。