<東京国体高校野球:鳴門11-1花巻東>◇30日◇2回戦◇八王子市民

 花巻東(岩手)は鳴門(徳島)に大敗したが、この日球場の観客から最も多くの拍手を受けたのが千葉翔太外野手(3年)だった。

 4打数無安打に終わり、第1打席ではフルカウントから三塁左へカット気味のファウル。大歓声が起こった。この打席は7球目を遊ゴロ、第2打席は初球を中飛、第3打席はワンボールから遊飛。9回の4打席目は初球を投手横へセーフティーバントし、アウトになったが一塁へヘッドスライディングした。大きな声援を受けた。

 今夏の甲子園ではファウルで粘る打撃で4強入りした。だが明らかにファウルを狙った“カット打法”をした場合は、スリーバント失敗でアウトとすると審判団から注意を受け、最後は封印せざるを得なくなった。

 それでも夏の大会後は「自分の考え方は変わってない。普通に打って、ファウルだったら問題ない」と前を向いた。

 この日の第1打席のファウルも「粘ろうと思った」と振り返り、その後の早いカウントでの打撃も「制球のいい投手なので、状況をみて甘いところにきたら振っていこうと思った」と話した。

 高校卒業後は「大学に行って野球を続けたい」と進学を目指す。今後も「とにかく出塁してチャンスを広げる自分の打撃を見せたい」と笑顔で前を向いた。