佐世保実業高校(長崎県佐世保市)の野球部で昨年8月、引退した3年の元部員が1年の部員を暴行して骨折させたのに、清水央彦監督(42)が学校側に「練習中の事故」と虚偽の報告をしていたことが2日、学校への取材で分かった。

 佐世保実業は強豪校で、長崎県代表として昨夏と今夏に2年連続で甲子園に出場した。清水監督は同校の非常勤講師。1日付で監督と講師を辞任した。野球部長の教諭(39)も部長を退任した。

 学校によると、清水監督は昨年8月31日、1年の部員が退部を申し出たため、元部員に「殴ってでも退部を考え直させろ」と指示。元部員は1年の部員の顔を3回殴り、あごの骨を折る重傷を負わせた。

 監督は部長を通じ、学校に「けがの原因は練習中に打球が当たったため」と説明していたが、学校が被害に遭った部員と母親から聴き取り、事実を確認した。

 清水監督は学校に「本当に殴れという意味で言ったつもりはない」と話したという。

 長崎県高野連は2日、学校側に事実関係を報告するよう指示した。県高野連の角西政信理事長は「こういうことが起きたのなら残念なことだ。確認を急ぎたい」と話した。