<高校野球愛媛大会:済美8-0三島>◇16日◇1回戦◇西条ひうち

 最速157キロの豪腕安楽智大投手(3年)が帰ってきた。苦しみながらも7つの三振を奪い、許した安打は5本。エースらしく完封発進した。なかなか味方の援護にも恵まれない中、5回には最速146キロを出し、粘りの投球で初戦突破した。

 安楽の最大のピンチは、0-0で迎えた8回裏2死三塁。迎えた打者は、長打が警戒される三島の4番尾崎亨四郎内野手(3年)。2ボール2ストライクからの6球目に、145キロのストレートで見事ピンチを切り抜け、思わずガッツポーズが出た。

 9回表の攻撃では、3番林賢人内野手(3年)が四球で出塁。4番の安楽が自らしぶとく右翼前に運びチャンスを広げた。済美は、この回相手のエラーも絡み8得点。試合を決定づけた。

 安楽は「夏の初戦で、負けなかったことは良かった。ピンチの場面でも俺が抑えてやろうと思った。まだこれから調子は上がっていくと思う」。聖地へ向かって、1歩踏み出した。