第87回選抜高校野球大会(3月21日から12日間、甲子園)の出場32校が決まった。注目選手は以下の通り。

 【投手】

 最大の目玉は早くもドラフト1位候補の声が挙がる県岐阜商・高橋純平投手(2年=右投げ)だ。ストレートの最速は152キロ。183センチ、76キロのスラリとした体型で癖のないフォームからしなやかに腕を振る。カーブ、スライダー、スプリットと変化球も多彩で、3試合連続完投勝ちした秋の東海大会では4試合33イニングで自責1の防御率0・27。奪三振も投球回を上回る35をマークした。今年最初の練習日となった1月7日には阪神、中日、オリックス、楽天、日本ハムの5球団スカウトが訪問。巨人もスカウト会議で1位候補にリストアップするなど、センバツでどんなピッチングを披露するのか楽しみだ。おまけにルックスも良し。

 仙台育英(宮城)の佐藤世那(2年=右投げ)は昨秋明治神宮大会の優勝投手。180センチ、76キロの体から140キロ台の直球、スライダー、フォークなど緩急自在の投球術が光る。アーム式の大きなテークバックが特徴で投げっぷりがいい。名前の「セナ」は、生まれた前年96年にヒットしたテレビドラマ「ロングバケーション」で木村拓哉が演じていた主人公・瀬名秀俊、F1レーサーのアイルトン・セナ(故人)から取って名付けられた。

 昨夏甲子園4強に貢献した敦賀気比(福井)の平沼翔太(右投げ)も好投手。178センチ、75キロ。最速144キロの直球と鋭い変化球が武器。同じく昨夏の甲子園を経験した近江(滋賀)の小川良憲(2年=右投げ)も負けていない。昨夏甲子園では初戦で鳴門(徳島)のうずしお打線を最速145キロ速球などで完封した。

 奈良大付の坂口大誠投手(2年=右投げ、180センチ、73キロ)は最速142キロの速球と抜群の制球力が売り。近畿NO・1右腕との評価も。

 21世紀枠で選出された豊橋工・森奎真投手(2年=右投げ)も評判がいい。182センチの長身。手足が長く、140キロ超の直球とキレのあるスライダーでプロも注目している。

 このほか、東海大菅生(東京)の勝俣翔貴投手(2年=右投げ)、九州学院・伊勢大夢投手(2年=右投げ)らも140キロ前後の力のあるボールを投げる。

 左腕では浦和学院(埼玉)の江口奨理投手(2年)、龍谷大平安(京都)の高橋奎二投手(2年)、英明(香川)の田中寛大投手(2年)に注目したい。江口は172センチ、68キロと大柄ではないがキレの良い直球と巧みな投球術で昨秋関東大会制覇に貢献した。一昨年センバツで優勝投手になった小島投手(早大進学予定)にタイプが似ている。高橋は昨年センバツ優勝に貢献した。柔らかなフォームから打ちづらいボールを投げ込む。140キロ超の快速球を連発するわけではないが打者に球速表示以上のスピードを感じさせる好投手だ。田中はガッチリとした体から最速140キロの速球を投げ込む。

 【打者】

 仙台育英(宮城)の平沢大河内野手(2年=右投げ左打ち、176センチ、71キロ)は昨秋神宮大会で大活躍。優勝の原動力となった。広角に打ち分ける強打者だが、難しい低めの変化球も巧みなバットコントロールでヒットにする。守備、走塁も素晴らしく甲子園でも大暴れが期待される。

 東海大菅生(東京)の勝俣翔貴投手(2年=右投げ左打ち)は投打二刀流。投げても140キロ台速球で好投手の1人だが、打撃の評価の方がやや高いか。昨秋神宮大会では右中間スタンドに一発。プロスカウトも注目している。

 長打力では大阪桐蔭・青柳昂樹外野手(2年=右打ち)、天理・坂口漠弥内野手(2年=右打ち)、神村学園(鹿児島)の主砲、山本卓弥外野手(2年=左打ち)に注目。

 青柳は昨夏甲子園優勝レギュラーメンバー。打撃では結果を出せなかったが新チームでは4番に座る。強肩も魅力のプロ注目の外野手だ。

 坂口は2年夏の県大会で4本塁打。近畿を代表するスラッガー。

 山本は昨春センバツ1回戦の岩国戦で豪快な3ランを放った。185センチ、85キロの大型打者で将来性も十分だ。

 高崎健康福祉大高崎(群馬)の柘植世那捕手(2年=右打ち)は強肩強打誇るチームの要。昨夏甲子園でも打ちまくった。木更津総合・桧村篤史内野手(2年=右打ち)は180センチ、75キロの大型遊撃手。豪快な高速スイング魅力だ。

 俊足巧打のタイプでは浦和学院(埼玉)の津田翔希内野手(2年=右投げ右打ち)、常総学院(茨城)の宇草孔基内野手(2年=右投げ左打ち)、天理(奈良)の船曳海外野手(2年=右投げ左打ち)らの名前が挙がる。津田は1年夏からレギュラーの遊撃手。巧打と堅守が光る。宇草は183センチの長身二塁手。1番を打ち一塁まで4秒前後の快足を飛ばし内野安打を稼ぐ。船曳も俊足が持ち味の好選手でチームを引っ張る。

 ほかに大阪桐蔭・福田光輝内野手(2年=右投げ左打ち)の打撃センスや堅守もキラリ。静岡の堀内謙伍捕手、安本竜二内野手は長打と巧打を兼ね備えた好打者だ。