<高校野球・春季青森地区大会:青森山田8-1青森西>◇26日◇Dグループ3回戦◇蓬田球場

 青森山田が14安打の猛攻で青森西を8-1(8回コールド)で下し、3戦全勝とした。ブラジル生まれで187センチの4番、曲尾マイケ右翼手(2年)が、4打数2安打1打点と活躍。今季からスタメンに名を連ねる曲尾は、開幕3試合で13打数8安打6打点と大暴れ。「ダルビッシュ2世」の呼び声高い、うわさの大器が衝撃的な本格デビューを遂げた。

 初めて味わう、4番の重責。それにも負けず、曲尾が結果を出した。初回1死二塁で中前適時打。5回1死から中前打で出塁すると初盗塁を成功させ、5点目のホームを踏んだ。得点に絡む2安打に、187センチの体で50メートル6秒1の俊足も披露。スタンドを沸かせた。

 昨年秋はベンチ入りしたが、出番はほとんどなかった。今季は19日の青森戸山戦で、三塁打と二塁打を含む5打数3安打3打点。20日の青森東戦は、二塁打2本を含む4打数3安打2打点と連日の猛打賞。渋谷良弥監督(61)は「身体能力が非常に高い。経験を積んでいけば、すごい選手になるかもしれない」と期待する。

 中学3年の夏、初めて甲子園で観戦したのが青森山田-駒大苫小牧の3回戦。青森山田は9ー10でサヨナラ負けしたが、一歩も譲らぬ死闘に「すごい。鳥肌が立った。このチームで甲子園に出場したい」と決心。強豪横浜などの勧誘を蹴って青森山田入りした。

 中学までは投手で、MAX138キロを出した。だが体がまだ成長中で、肩の関節が柔らかすぎ肩痛を起こすことがあったため、高校では投げていない。最終的には投手希望だが「夏までは打者としてチームに貢献し、絶対甲子園に行きます」という。

 この日の打撃には満足せず「体が前に出て、球を呼び込めなかった」と反省。「もっともっとチャンスに打ち、チームに勢いをつけたい」と主軸の自覚も十分だ。【北村宏平】