高校野球の静岡商-静岡定期戦が29日、草薙球場で行われる。静岡商は4番増田雄太捕手(3年)が攻守の要。前エース大野健介(早大1年)から注入されたID野球を披露する。

 静商の頼れる女房に成長した増田が、伝統の定期戦2連勝のキーマンになる。チーム一の遠投110メートルを誇り、中学時代まで投手だったこともありコントロールも抜群。「走者が普通のスタートだったら、間違いなく刺せる自信がある」と増田は胸を張る。

 強肩を買われ、1年秋から名門・静商の正捕手を務めるが、捕手に転向したのは高校入学後。肩は一級品だったが、目下の悩みは投球の組み立てだった。「バッターの雰囲気、スイングを見て組み立てるなんて全くできなかった」。昨年の定期戦は5番捕手で先発。86年以来21年ぶりの完封勝利を飾ったチームとは対照的に、前エース大野に出したサインはことごとく首を振られた。ベンチに戻っては、細かく配球術を指摘された。

 「勉強の試合だった。でもあの時が今に生きている」。今年の先発は後輩の伏見幸人投手(2年)が有力。「経験を生かして、引っ張っていきたい」と成長した姿を、満員の観客に見せつける。

 春の県大会出場を逃しただけに、見城喜哉監督(48)は「夏の大会前に、背番号を付けて緊張した試合ができるのはこれが最後。真剣勝負で臨みたい」と試合に懸ける思いは強い。増田も「夏に勢いをつけるためにも絶対勝ちたい」。夏への飛躍へ向け、大野直伝の配球術で14年ぶりの連勝を目指す。【鶴智雄】