<高校野球・春季福島大会:田村2-0福島>◇19日◇4日目◇会津坂下町・鶴沼球場ほか◇3回戦

 田村が2-0で福島に勝ち、8強進出を決めた。エース紺野大投手(3年)が散発6安打に抑え、2回以降毎回の14奪三振。168センチの小柄な右腕が、公式戦初完封を派手にやってのけた。

 最速は125キロ。驚くようなスピードがなくとも、田村のエース紺野はバッタバッタと相手打者をなで切った。最後は3球勝負。外角低めに直球を決め、14個目の三振で試合を締めた。「左打者への直球、右打者への外のスライダーが良かった」と制球よくコーナーに投げ分けた。影山高見監督(38)は「紺野につきる。変化球のキレも直球も良かった」とねぎらった。

 制球力は冬場のトレーニングで磨いた。「疲れると背筋が曲がるから」と軸足の1本立ちを何度も繰り返し、バランスを身に付けた。下半身は、全国駅伝常連の陸上部と同じコースを毎日10キロ走り鍛えた。冷静さもあった。この日の球場付近の最大瞬間風速は11・8メートル。「野手はフライが気になると思ったので、低めに意識して投げた」と淡々と語った。

 ヤクルトの157キロ右腕、佐藤由規(18=仙台育英)があこがれだが、スピードには目を向けていない。昨夏の甲子園で、由規の投球をテレビ観戦。「大事なところでコースに投げる投球を学んだ」と、制球に着目した。奪三振ショーは意識していない。「この先も低め中心に打たせて取る。バックを信じて投げたい」と、自分を見失うことはなかった。【清水智彦】