混戦の春を北海が断つ。28日に開幕する第47回春季全道高校野球(6月3日まで、札幌円山)の組み合わせ抽選会が20日、札幌市内で行われ、1回戦の対戦が決まった。実績ある代表ぞろいで混戦必至だが、今年にかける北海はエース鍵谷陽平(3年)が絶好調。札幌地区予選3試合を1人で投げ抜き、19イニングス無失点で乗り切った。全道でもこの記録を伸ばし、7年ぶりの優勝を目指す。

 北海の初戦は小樽潮陵に決まった。公立校とはいえ4年前の春の準優勝校。鍵谷は「どこが相手でも倒さなきゃならないのは一緒だから」と気負わず話した。札幌地区予選。初戦(札幌啓北商戦)は5回参考記録ながら無安打無得点試合、続く北海道尚志学園戦、大麻戦をともに無失点の7回コールドで制した。最速142キロの速球とスライダーに、パームボールも交え的を絞らせなかった。

 北海では希少な軟式出身の投手。ベンチ入り18人の中に中学時代、硬式の経験がないのは野手に1人いるだけだ。北海は硬式経験者ぞろいということは入学前から知っていた。だが「軟式上がりでも絶対に負けたくない」と強い思いで道南の七飯町を立った。以来、鍵谷の座右の銘は「雑草魂」。今も試合用の帽子のひさしに書いてある。

 「地区では調子が良すぎて肩が軽く、抑えが利かなかった」と球が高めに浮く嫌いはあったが、スピードに幻惑された相手はボール球にも手を出した。「全道の相手にそれでは通用しない。修正が必要です」と、本番までの課題を掲げ、おごりはない。

 1年時からバッテリーを組む立島達直捕手(3年)は「最近はマウンド姿が実に堂々としている。頼もしい限り」と、好調さを強調する。全道大会で無失点記録はどこまで伸びるのか。「点を取られないということは負けないということ。(無失点を)続けていきたい」。雑草エースの無失点記録の先に、北海の7年ぶり8度目の頂点が待つ。【本郷昌幸】