<高校野球南埼玉大会:浦和学院10-0岩槻>◇10日◇2回戦

 3年連続の甲子園を目指す浦和学院(南埼玉)が、父子で好発進した。森士(おさむ)監督(44)の長男大(だい)投手(3年)が先発、6回を被安打3で岩槻をゼロ封し、打線の援護も得て10-0でコールド勝ちした。

 「背番号10」の森が、130キロ台後半の直球と父親譲りのスローカーブで凡打の山を築いた。6回までに3安打8奪三振。初戦先発の重責を果たした。「序盤は球が浮いた。今日は60点から70点の出来。今後も無失点に抑えられるようにしたい」。大勝にも浮かれることはなかった。

 名門浦和学院に誕生した親子鷹。周囲の注目を浴びる中、森監督は初戦の先発に息子を抜てきした。「ずっと調子が良かった。先発で行くのは今日の朝伝えた」と話す。監督の期待に、息子は「自分が先発でいくつもりだった」と応えた。打撃陣は8安打10得点で援護した。森監督は「緊張もあって決め球が甘く入っていた。夏を経験し今後に期待したい」と、あえて厳しい言葉でねぎらった。

 「ウラガク」のユニホームを着て戦うことが小さいころからの夢だった。27歳から監督を務める父親の試合を、3歳のころにはもう楽しそうに観戦した。母志奈子さん(47)は「今1つの夢がまさにかなっている瞬間。とにかく楽しくウラガクの野球をしてほしい」と勇姿を見守った。

 入学時、監督に「あえて必要以上に厳しくしからなければならない場面もある」と言われた。家では「だい」と呼ばれているが、グラウンドでは「もり」だ。練習では人一倍厳しい指導を受ける。だが「自分を強くするため。甘えない気持ちを学んだ」と、監督としての姿も尊敬する。

 目指すは埼玉初の夏の甲子園3年連続出場。父と、仲間とともに最高の結果をつかみとる。