第81回選抜高校野球大会(3月21日から12日間・甲子園)の出場校を決める選考委員会が23日、大阪市内の毎日新聞本社で開かれる。高校野球史を彩ってきた古豪の早実(東京)と慶応(神奈川)が、選抜大会で初めて同時出場なるかが注目される。記念大会だった前回より4校減となり今年は従来通りの32校を選出。戦力以外の特色を加味する21世紀枠は昨年に続き3校、一般選考では29校を選出する。守備力を重視した希望枠は今回から廃止された。

 早実ナインは選考委員会など意識していないかのように、通常練習をみっちりこなした。八王子市のグラウンド横にある室内練習場で、基本練習を約4時間行った。もっとも、選手からは本音がこぼれた。中野弘也主将(2年)は「ワクワク感があって。どうなるか分からないけど、待ち遠しいです」と話した。

 センバツへの重要資料となる昨秋の東京大会では決勝戦で国士舘に1-3で敗れた。和泉実監督(47)は「負けた瞬間にあきらめました」というが、直後に慶応が神宮大会を制し、出場の可能性が出てきた。同監督は「ウチはいつもと変わりません。多少空気は流れてきていると思いますが」と付け加えた。

 今年のチームのモットーは「自分に勝つ」だ。エース小野田健介投手(1年)は前日、90球近くの投球を行った。「左足のタメを意識しています。ボールの伸びが出てきたと感じています」。冬期練習を消化して体重は6キロ増の77キロ。下半身がたくましくなった。中野主将が言う。「甲子園に出られることも考えてやってきました。冬練もそれがあるんで、妥協せずやってこれたと思います」。その成果を甲子園で披露できるか、早実ナインは朗報を待っている。【米谷輝昭】