<高校野球・春季岩手県大会花巻地区:花巻東8-0花巻農>◇2回戦◇7日◇花巻市営球場
今春センバツ準優勝の花巻東が、ゼロからのスタートを切った。センバツ後最初の公式戦で、花巻農に8-0で7回コールド勝ち。プロ注目の152キロ左腕、菊池雄星(3年)の登板機会はなかったが“弟分”の渡辺宗真(かずま)と吉田陵(ともに2年)が、ノーヒットノーランの継投で快勝した。エースの自覚ある行動で夏に照準を合わせたナインが、日本一へのリベンジへ始動した。
菊池が笑顔とハイタッチで、仲間をねぎらった。渡辺と吉田がスコアボードに0を並べれば、打線も5本の適時打と2本のスクイズで着実に加点し、7回で試合を終わらせた。ベンチで声を出し続けたセンバツ準優勝投手の菊池は「夏に切り替えています」と、ナインの気持ちを代弁した。
自ら率先してチームのスイッチをゼロに戻した。今大会直前、準Vを祝う「君たちは花巻の星だ」「おめでとう」といった、関係者から寄せられた部室の張り紙や垂れ幕を撤去。甲子園の戦いを特集した新聞や雑誌も片付けた。菊池は「まぐれで準優勝しただけ。センバツのことは忘れようと思った」と、仲間に挑戦者の心を植え付けた。
それに呼応するように、この日は弟分が活躍した。2四球も4回を無安打無失点に抑えた渡辺は、寮で菊池と同部屋。「雄星さんみたいな信頼される投手になりたい」と意気込めば、菊池と同じ盛岡東シニア出身の左腕吉田も「公式戦は全部勝つつもりでいきます」と話した。
センバツでは、ともに登板機会がなかった2人の好投に「夏は自分1人じゃ無理なので、収穫のある試合だった」と菊池。すべては夏の甲子園で頂点をつかむため-。気持ちも戦力も、順調なスタートを切った。【由本裕貴】

