<全国高校野球選手権:都城商5-1聖望学園>◇13日◇1回戦
都城商(宮崎)がエース新西貴利(3年)の力投で28年ぶりの白星を挙げた。
新西の目に“あの人”の笑顔が飛び込んできた。試合後、三塁側アルプス前で整列すると目の前に東国原宮崎県知事がいた。「最前列ではしゃいでましたよ」。7回を1安打。最速148キロのプロ注目右腕は2回に145キロをマークした。だが、奪三振は1つだけ。丁寧に低めを突き、21アウト中13個を内野ゴロで奪った。「監督に(投げたいと)目で合図したんですけど…次は完封したいです」。84球で8回から藤本にマウンドを譲ったエースは少しだけ悔しがった。
都城商28年ぶりの甲子園1勝へ。自慢の「霧島打線」も奮起した。初回2死一、三塁で5番松原が右前適時打。2死満塁として、7番米良が右中間二塁打。鮮やかな先制攻撃で一挙4点を奪った。この夏、左腕との対戦は初めて。先発9人で通算139本塁打を誇る重量打線が「引き付けて逆方向にゴロを打つ」を徹底し、攻略した。
10年前には部員8人の時期もあった。復活を支えたのは「宮崎米」だ。パワーアップを目指し、00年から金曜日に「ミールトレ」と呼ぶ食事訓練を導入。ラーメン用丼2杯、計2・6キロの米を詰め込んだ。176センチ、80キロの4番内田は「入学して10キロ増えました」。東国原知事おすすめの「宮崎牛」や「宮崎地鶏」もほおばり、力を蓄えた。
東国原知事には、甲子園入り前に激励された。中津部長は「宮崎代表として『どげんかせんといかん』という感じでした」という。冨永主将は「知事の言葉が力になりました」。練習試合では明豊(大分)や清峰(長崎)横浜(神奈川)に勝った実力校が、堂々と力強い1歩を踏み出した。【近間康隆】


