<高校野球・秋季北海道大会:駒大苫小牧12-10白樺学園>◇7日◇準々決勝◇札幌円山
駒大苫小牧が大逆転で優勝した05年以来4年ぶりの4強に進出した。白樺学園に初回いきなり7失点のビハインド。だが粘り強く反撃し、延長10回裏、宮崎啓誠左翼手(2年)の劇的2ランで12-10とサヨナラ勝ちした。前回秋優勝は田中将大(楽天)の在籍時。佐々木孝介新監督(22)就任以来の大ピンチも乗り越え、駒苫黄金時代再来の予感も漂ってきた。
監督就任以来初の大ピンチを、佐々木チルドレンたちがしのぎ切ってみせた。延長10回裏1死二塁。6番宮崎の打球は左中間を切り裂き、無人の外野スタンドに飛び込んでいった。04年夏の甲子園初優勝時も済美(愛媛)に大逆転だった。「優勝時のシーンを見ててシビレました」という宮崎が、同じように大逆転勝利の立役者となった。
決してあきらめない「逆転の駒苫」が戻ってきた。初回、制球に苦しむ先発今崎が満塁弾を食らい7失点。いきなり劣勢に立たされたが、今の駒苫には簡単にはあきらめない不屈の闘志が備わっていた。「夏休みを思い出せ~!」。毎日12時間以上汗を流した時期を皆が声に出した。肩を落とす今崎にも「下を向くな!」と鼓舞。ベンチのムードは一向に落ちなかった。
1回裏からすぐ反撃に出た。リードオフマン池森が安打で出ると、佐々木監督はすぐ送りバントの指示。恩師・香田誉士史元監督は二塁へのバントはあまり使わなかったが、佐々木野球は送りが基本だ。「1点ずつ返せば追いつけると信じていましたから」。揺るぎない信念でナインを動かした。
回が進んでも、相手に突き放されても「走者が出たらバント」の姿勢を変えることはなかった。そして8回、ついに10-10の同点に追いつく。指揮官は「過去のチームとは比較はしないが、今日だけは済美戦のことが脳裏に走った」という。その時、主将として遊撃にいた佐々木監督と同じことを、現ナインがやってのけた。
4安打と大活躍の中山主将は「大量リードされても皆が声を出していた。これがチームなんだと思った」と興奮気味。2安打5出塁の池森は「鳴門工の試合を思い出した。先輩たちはこういう試合をやってきたんだと思った」と、逆転の駒苫を受け継ぎ誇らしげだった。甲子園V1主将を指揮官に迎えた新生・駒苫の勢いはもう止まらない。


