日米プロが獲得を狙う花巻東(岩手)菊池雄星投手(3年)が、当初監督だけ出席するとしていたプロ側との面談に同席することが8日、内定した。この日、プロ野球12球団が都内で実行委員会を開き、日本高野連に対して(1)佐々木洋監督(34)に一任されている面談を、本人同席にしてほしい(2)メジャー球団の条件提示をストップさせてほしい、の2点を要望した。

 異例の申し出を受けた日本高野連は、即日花巻東に連絡を入れ、学校側も2項目を受け入れることを了承したと説明した。菊池は5日にプロ志望届を提出した際、授業などがあり全球団と会うのは難しいとし、自らは同席しないと表明していた。

 レッドソックス松坂、横浜寺原など、大物高校生は本人同席で全球団と面談を行ってきた。この日、プロ側から多数の声が上がり、日本野球機構(NPB)として正式に要望した。さらにメジャー流失阻止へ、金銭面についても言及。日本高野連の取り決めでは、指導者同席ではプロから条件提示はできないものの、本人や保護者だけなら可能としている。ただし日本の球団はドラフト指名するまで、条件提示はしないことを慣例としている。メジャー球団に対しても同様の姿勢を求め「監督にその話をさえぎってほしい」(NPB下田事務局長)と要望したという。

 ドラフト直前に、12球団が結束して高校生の面談方法に注文をつけるのは異例のこと。日本球界が大きな危機感を持っていることが証明された格好だ。史上最多、日米20球団が獲得に興味を示す大争奪戦。まずは菊池側が基本路線とする国内球団が、本人に熱意を訴えることから始まる。