<高校野球・秋季東北大会:古川学園4-3東日本国際大昌平>◇11日◇青森県総合運動公園野球場◇2回戦

 初出場の古川学園(宮城)が東日本国際大昌平(福島)に延長11回、4-3でサヨナラ勝ちし春秋通じて東北大会初勝利を挙げた。3-3の延長11回裏無死満塁から、6番宇都宮勇輝(1年)の右犠飛でケリをつけ宮城県勢最後のとりでを守った。弘前学院聖愛、光星学院の地元青森勢も勝ち進み、ベスト8が出そろった。

 浅い宇都宮の飛球にも、三塁走者の氏家優悟(2年)は迷わず本塁に突入した。間一髪、セーフ。ナインが歓声を上げながら駆け寄り、抱き合った。劇的なサヨナラ勝ちで古川学園が、初勝利とベスト8進出を決めた。

 福岡梓監督(47)は「宮城勢最後のとりでとして、第1代表として、負けるわけにはいかなかった」と語気を強めた。宇都宮はこれまでも満塁のチャンスに打点を稼いでいた。「満塁男がまたやってくれた。でもベンチ、スタンドが一体となって打たせたと思う」と福岡監督はいう。

 県大会直前、アクシデントがチームを襲う。部員33人中、18人がインフルエンザに感染。そんな苦しい戦いの末、仙台育英などを撃破して県大会を制した。宇都宮はレギュラーの感染者に代わって起用された。名前から、応援団は「ギョーザの名所!」コール。そんな声援にも応え「次につなぐことだけ考えた。ツキがまた巡ってくると信じていた」と、まくし立てた。

 延長に入ると、最速145キロの菅原翔太(2年)が登板。2回を1死球のみに抑え、サヨナラ劇を呼び込んだ。「自分がしっかり投げて、流れを引き寄せたかった」と菅原。苦しみ抜いての初勝利に福岡監督は「自分たちの野球ができた。この1勝は重みがある」と手応え十分の表情を見せた。【北村宏平】